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先週、東京国立博物館に行きました。
略称は「トーハク」というそうです。先日初めて知りました。
それまで博物館に興味はあまり無かったのですが、

という本を読む機会があって、ちょっと行ってみたくなったのです。
また、最近知ったのですがこちらの博物館はアプリも出しているのです。(ライバルだな!)
と思ったら、先日アップデートされてBLE対応したらしいです。
でも内容を読んだら情報を端末に受け取れるとか言うことではないらしく、展示室の中での入室検知などに使われるようです。でも公共の施設でいち早くBLEを試すとはただ者じゃない...。
という訳で、桜舞い散る上野の森に遊びに行ってきました。

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門構え。
多分訪れるのは初めてかもしれない。
東京国立博物館は「日本初の総合博物館」として明治15年(1882年)に創設されました。
創設の経緯が複雑で最終的に皇室に献上する形となり、東京帝室博物館という名前で開館したそうです。
現在は独立行政法人国立文化財機構が運営する国立の博物館です。

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館内見取り図。
本館の他に、表慶館、平成館、法隆寺宝物館、東洋館があります。
上野動物園の手前の噴水の奥に位置する博物館なのですが、意外に広大な敷地です。
場所としては鴬谷から来た方が近いかもしれません。

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こちらが本館です。
開館当時はコンドル設計の洋風な建物で、内部の展示室は30室、当時最先端のディスプレイ技術を採用するなど、展示物の配置や採光に細かい配慮が施してあったそうです。
しかし関東大震災の時に崩壊してしまったらしく、現在の建物は昭和13年(1938年)に建てられたものです。

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建物内部にはいると、中央に大階段があります。
なんとなく華麗なる一族を彷彿とさせるような...。

訪問者は日本人(中高年が多い)とアジア人、欧米系の観光客が半々と言ったところでしょうか。
今回は特別展示ではなく「常設展」を見に行ったので、余計に若い日本人が少ないと感じました。
個人的なイメージですが、常設展示ってあまりお金を払って見に行こうと思わなくないですか?

[設備]
古い建物ですがバリアフリーに対応していました。
また目立たない位置ではありますがエレベーターもあり、建物入り口にはAEDが設置されていました。
もちろんミュージアムショップもあり。国宝のミニチュアのガチャガチャなんかもありました。
あと漆器の弁当箱みたいなやつが300万位して誰が買うんだろうと思いました。

[展示内容]
主に本館が日本美術や国宝の展示、東洋館がアジア諸国の作品、平成館が企画展の展示となっています。
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=hall&hid=12
1Fは仏像などの木造彫刻に始まり刀や陶器など風俗系の展示でした。
2Fは縄文時代から江戸時代までの日本の美術史が網羅された展示になっていました。
歴史の流れに沿った展示なので、ある程度予測がつくという部分についてとても見やすかったです。
常設展でありながら、かなり短い期間で展示物を入れ替えているようで、コレクションの多さを物語っているなあと思いました。
冒頭からはにわや土偶、青銅器などが展示されており、小学生の頃を思い出しました。
子供の頃って何故か古墳系の博物館に連れて行かれることが多かった気がするんですがさいたまだけでしょうか...
展示物の写真撮影については基本的にはNGのようでしたが、皆構わず撮っていた印象があります。
海外の方がすごく熱心に見ていたのは、「禅」「茶室文化」「戦国時代」の部分でした。
やはり映画やアニメの影響か、サムライやZEN文化の人気の高さが伺えました。
刀や鎧が飾ってあったらやっぱりテンションあがるんですかね。。。シャッターを切る方がめちゃくちゃ多かったです。
展示室にはあまり監視員がいませんでした。
そのかわり各部屋に2〜3点ほど監視カメラがありました。

空間の使い方ですが、全体の動線確保がされていて非常に回りやすかったです。
入り口と出口がわかりやすいのは初めて訪れる人にとってはとても大事だと思います。

博物館は完全屋内で暗室のような空間でした。
基本的には蛍光灯とスポットライトによる間接照明で作品を照らす形になっていました。
ただ光量が足りないような気がする場所も少しあり若干暗いというか眠気を誘う...wような気もしました。

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[展示について]
展示作品ではなく説明書きを1枚撮影しました。
前述の通り、上野にある観光客向けの総合博物館なので、他言語対応されていました。
全てではないですが、日本史に基づいた展示形式を取っているので、ピリオドごとに上記写真のような説明書きがありました。
この内容を欧米系の来館者が熱心に読んでいたのが印象的でした。
私が訪れたときは残念ながらアプリを利用している方はいないようでした。
(そもそもスマートフォンをいじっている人は写真撮ってる人だった)
このキャプション書きや説明部分で気になった点は2つあります。
・全体のフォントサイズが小さい
左半分が日本語、右側に英語、中国語、韓国語の4カ国語展開なのですが、どう見ても他3カ国語が読みづらい。英語なんて眼科チェック並みだと思いました。
他の美術館などでも毎回思うのですが、説明書きの文字を小さくする文化って何か深い理由でもあるのでしょうか?
読みたくない人はスキップしてOKということのアピールなのでしょうか…多分意図があるのだと思いますがわからない。

・内容が大人向け
総合博物館である以上、来館対象者は全世代になると思いますが、展示部分については低学年層(特に小学生)への追加説明のフォローはざっと観た感じではなかったです。
おそらく小学生はキャプションなど読まないだろうし、引率の先生が説明するから省略しているということかもしれません。
→一応学校教育向けには専門のカリキュラムを用意しているそうです。ただ事前申し込みが必要なのと学校単位での申し込みとなるので、親子連れで楽しむという雰囲気にはなりづらそうです。

[国宝、重要文化財に対する扱いについて]
今回の展示で一番良かったと思ったのは国宝でした。
私が行ったときは国宝 十二天像(水天)が飾ってありました。
良かったと思った理由としては、落ち着いた空間の中にこの国宝1点だけが展示しており、真ん中にソファーがあって静かな雰囲気でじっくりと鑑賞することが出来たからです。
このような展示手法はパリのオランジュリー美術館なども取り入れています(モネの睡蓮の絵を壁いっぱいに展示して、他にはなにも展示しない)が、国内の美術館ではあまり目にしたことが無かったです。
また、この水天の作品解説については担当学芸員名が記載されていました。
これも他の美術館では見たことが無かったので非常に興味深かったです。

一方で、重要文化財に対する扱いは、数が多いからという理由もあるかと思いますが、
「Important Cultural Property」とあるだけで、あまり詳細説明はありませんでした。
コレクションが多過ぎて全ての英訳は無理だと思いますが、補足事項がもう少しあっても良いかなと感じました。

じっくり回ったので、約3時間半ほど滞在しました。
何気に、秋のルーヴル美術館以上に時間を使ってるw

途中、平成館にあるラウンジであんみつを食べて休憩。

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また、今回は桜のシーズンで博物館の裏にある庭園が一般開放されていたので、運良く足を運ぶことが出来ました。

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こちらが日本で初めての博物館設立に生涯を費やした町田久成の記念碑です。17回忌の際に建てられたそうです。文中には「博物館は、すなわち君が提議して、創設するところなり」とあります。
初めて訪れた大英博物館のスケールの大きさと図書館を伴う総合博物館という施設に感銘を受け、博物館と図書館設立に奔走したそうです。
つまり、彼がいなければ、日本での博物館、美術館、図書館のあり方は違っていたかもしれません。
そう思うと少し感慨深いです。
しかし、彼が生きていた頃と今とでは大分状況が変わって来ているのも事実です。

「限りある時間の中で、膨大なものに囲まれている現代人の環境から、興味の無い人にわかりやすく展示して、記憶に留める」
という美術館や博物館の取り組みは、発想の部分で自分が今関わっている仕事の根幹に共通しているため、個人的にはすごく参考になりました。

ただ、「国立」として運営している以上ある程度の制約が発生しているので、次回は民間が運営している博物館も行ってみたいと思います。