昨日内田光子のシューベルトのコンサートに連れて行っていただいたのだが、間違いなく彼女が表現するシューベルトを超える日本人ピアニストはそうそう出ないだろうし、世界でもそうそういないと思うくらい、一音一音が完璧すぎて、圧倒されてしまった。
これがプロフェッショナリズムか、と、圧倒的な力の前にひれ伏す感覚を持った。


音の響きだけで情景をここまで表現できるものなのか。
音楽をやってたなんて言えないレベルでしか嗜んでないけど、
聞けばわかる、
この人が日に何時間、何十時間ピアノと向き合っているのか、
作曲家の残した作品とどれだけ対話したのか、
考えただけでくらくらしてしまって、ただ流れてくる音色についていくのに必死だった。

自己満足の表現では決してなく、
ひたすらに作曲家の支配する音楽の世界に誘ってくれる
こんな表現ができる方って私はあまり耳にしたことはなくて、
流行りの解釈や、個性を重視するような弾き方でなく、
作曲家の意思が絶対という前提の中で音の深みに全力で向かい合っているようなそんな演奏だった。
わからないけど、あんな演奏を続けてたら、早死にする。と思ってしまって、怖くなってしまった。

もし自分が音大生だったら、あんな演奏を聴いてしまったら、
ピアノに火をつけてしまうかもしれない。
ただ音を享受する娯楽として体験できる観客でよかったと心から思った。
それ位圧倒的な力があった。

私はアンサンブルが好きで、重なり合う音と人の変化によるパフォーマンスが好きなので、個人的な意志を持ってソロの演奏に出向くことは少ない。

でもとにかく内田光子のシューベルトベルトピアノソナタ20番はすごい。
何も言わずに、聞いてほしい。
1日たってもずっと耳に残ってるって、どうかしてる。