2002年の大統領選。
人々は皆シラクとジョスパンの大統領、首相決選投票と思ってた。
しかし二次選挙に残ったのは、ジャンマリールペンだった。
あの時の衝撃は忘れられない。
奇しくも2001年の9.11テロで世間は連帯を強く意識していたときだ。
至る所でデモが起きて、壁の落書きがあった。

フランスの恥

そんな言葉が至る所にあった

中道左派から中道右派に変わりゆく中で、移民の影響から難民の影響が加算され、今回のジャンヌマリールペンの当選はある意味既定路線だった。
しかしまさかフィヨン、メランションを抑え、39歳の若造であるマクロンが当選するとは思わず、エマニュエルトッドがどちらにも投票しないと発言するなど、困惑の極みであることが判明した。

パリは思ってたより落ち着いてた。
しかし至る所で、まさかルペンには入れないよね、と囁くような声が聞こえた。

それくらい、隣の人が何を考えてるのか、わからなくなっているような、気がした。

今回の選挙は、これからのフランスの在り方を問う選挙だ。
それはつまり、今後のヨーロッパの行方を意味する。
果たしてドゴールとアデナウアーが結んだ条約は、100年持たずに終わってしまうのか。
多様性を否定する社会が、自由の国を飲み込むのか。
これまで静かにヨーロッパのことを見ていた自分も、今回は分からない。
ただ、信頼を置くしかないと思う。