アートは誰のためのものなのか?
最近そんなことばかり考えている。

この前のロバート・フランク展の開催趣旨が資本主義社会における芸術作品の取り扱いについてのアンチテーゼを感じ、ここ数年もやもやしていた違和感と同期して、やはりアーティスト側も同じように思う人もいるのか、と思ってしまった。

例えば資本主義社会から逃げるようにタヒチで原始主義的な絵画を作成したゴーギャンや
拝金主義を社会の恥部として否定的な思想を持っていたピサロや
労働者と階級社会を皮肉的に扱ったスーラは
自分たちの作品が死後100年程たってからこんな風に文化芸術活動という名目のもとで金儲けの道具になっていることを知ったら
どう思うのか?

話題づくりを目的とした、
有名俳優による音声ガイド、
あふれ返るプリントにプリントを重ねた安っぽい商品、
有名レストランとのコラボメニュー。

何だかなあ。と思ってしまう。

マーケティングとしてのアートイベント
地域活性化としてのアートイベント

物珍しさが無くなり飽和状態になりつつある今、そろそろアートイベントバブルも終焉を迎えるかもね。

アートを踏み台にして色んな欲望が見え過ぎるようになってしまった。

投資としての商品と割り切れたらもっと良いのかもしれないけど、作家側の創作意欲を金儲けの道具にしてしまう資本主義とは一体何なのか、誰を幸せにするのか、最近はそんなことばかり、考えている。

例えば大英博物館なんかは、基本的にはドネーション(寄付)でまかなっている。入場無料ではあるけど、至る所に募金箱があって、そこにお金を入れたりする。
全てがそれでよく回る、とは思わないけど、今の日本の展覧会の現状はちょっと、酷いなあ、と思ってしまう。