2015120702

12月は忙しくてあまり写真を撮る機会がありませんでした。


thumb_DSC_0143_1024
 
KITTEの屋上から撮影した東京駅
年末は色々な展覧会の終了時期なので、駆け込みで幾つか見に行きました。

2015-12-06-16-25-13

三菱一号館で開催しているプラド美術館展は、大作というよりは小品が多く出展されており
あらゆるジャンルやテーマの作品を堪能できる展示がされていました。
15世紀から19世紀のスペイン美術史を短時間で廻れるようで、19世紀に台頭したスペイン美術への憧憬というもののエッセンスも感じることができました。
特にゴヤの《酔った石工 》と《傷を負った石工 》の対比がとても面白くて30分位見とれてしまいました。

#最近はこういう自撮りコーナーが色々な展覧会に用意されていて、去年とは大きく変わってるなぁと思いました。

2015-12-12-15-31-49

 
続いて、東京都美術館で開催されていたモネ展に行きました。
連日混んでいるとのお話を聞いていたので覚悟していきましたが、入場するのに1時間かかりました。
(ディズニー並)
モネの作品だけでなく、彼がコレクションしていた画家たちの作品も随所に散りばめられてありました。
東京都美術館の展示スペースは空間が3つのフロアに分かれていて、部屋ごとに気持ちを切り替えられる(=思考が分断される)ところが長所であり短所でもあります。
今回は彼の時系列順に、ということではなく、肖像画や彼のコレクション、睡蓮の連作などテーマごとに作品を展示していました。 
《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》という作品が個人的に思い入れがあってそれを見に行ったのですが、そこに繋がるまでのストーリーや、睡蓮の連作の空間はそのままその空気に入り込んでしまうような
オランジュリーの展示にも似ていて、とても自然に作品を鑑賞することができました。

2015-12-13-16-28-22
 
そしてパナソニックの汐留ミュージアムで開催されていたゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち展へ。
たまたまお世話になっている方からチケットをいただいて行きました。
印象主義から総合主義、ナビ派、象徴主義へと技法を変化させていく過程においてブルターニュのポンタヴァンやカンペールという独自の地域が持つ個性や価値観はどのように作家に影響を与えたのだろうか・・と言うことを考えるきっかけになりました。
ブルターニュはもともとケルトの文化が基盤としてあり、民話や伝統的な精霊信仰のようなものがあったので、作品の中にもそれらを題材にするようなものが幾つか見受けられました。

絵を描いた人…プロダクトを作った人がどのような出自で、何に影響されて、何を表現したかったのかという事を、今年は今まで以上に深く探った1年でした。
それは注意力が散漫な自分にとってはとてもつらい修行のようにも感じましたが、深く潜る作業をする過程で、当たり前ですが何事も一枚岩ではない一方で、どこかが共通基盤として通じるものがあるという事に気づけました。

2016年はそこから更に掘り方の精度をあげて、金脈を見つけられるようにしていきたいなと思っています。