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Jay-Zが先日買収した定額音楽配信サービスTIDAL(http://tidal.com/us)が、3月31日に海外31カ国で利用可能になるそうです。

Jay-Zがストリーミングサービス買収、Spotifyの対抗馬なるか  



TIDALのPVに参加しているのはBEYONCE(まぁ奥さんだから当たり前)、Nicki Minaj、Rihanna、Madonna、Kanye West、Daft punk、Calvin Harris、Usher、、、そうそうたるメンバーが参加しています。
そして今日、この PVに参加しているアーティストたちがTwitterやFacebookのアイコンをブルーに変更して、参加表明をしていました。




このプロモーションはかなり話題になっていて、日本でも洋楽好きな人たちがかなりざわついていました。(そして案の定日本は未対応ということでがっかり。)
そしてColdplayも参加することを知って少し驚きました。以前Spotifyに今後アルバムを掲載しないということを発表して話題になっていたからです。(Why Coldplay and Adele Aren't Bringing New Albums to Spotify

TIDALの特徴はストリーミング配信の中でも圧倒的に高品質な点。
44.1kHz/16ビット FLAC/ALAC形式を1141kbpsというCD音質を誇ります。
さらに、ネットワークプレーヤーのLINN DSに連携しセットリストを組んでスピーカーで流すことが出来るようになるそうです。(【CES】LINN DSがロスレス・ストリーミング配信に対応 - KAZOO Serverもアップデート )

興味深いのは自身もアーティストであり、プロデューサーであるJay-Zが
「音楽の定額配信サービス」をどう育てたいのかです。

サブスクリプションモデルのスキームについては以前からSpotifyでも問題にあがっていた
「アーティストに対する取り分の少なさ」から不信感が広がり、大物アーティストがこぞって脱退していたりします(クリエイターを搾取しているのはSpotifyではなくレコード会社だった )。昨年もティラー・スウィフトが曲を削除し話題になっていました。

そこに来て、今回の取り組みに過去のミリオンアーティストがこぞって参加しています。
定額配信サービスは既に確立されたアーティスト側の取り分が少ないということで敬遠 されてましたけど、その辺は加味されてるから皆参加しようと思ってるのでしょうか。まだ全然詳しいことを知らないのですが、その辺りがクリアになっているからの参加なのだろうと推測していますがいかがでしょう…


それにしても月額料金が $19.99 
とはけっこう高くないですかね。日本円で2400円?
自分の感覚での話ですが、世の中の人間で一番「流行の」音楽を聴いているのは
10代〜20代前半だと思います。
そう考えたときに、Youtubeで十分間に合う「持つ必要の無い世代」の子たちが、毎月2400円もの大金を支払うのでしょうか?
熱狂的なファンがいる人たちなら払うかもしれません。
でもそれならファンクラブから搾取した方が手っ取り早そうです。

そうなると、おそらくターゲットは「ちゃんとした音楽を楽しむ」ことに喜びを感じる大人
=30代以降の音楽愛好家、ということになるのかな、と思うのですが、
ハイレゾ音源のストリーミング配信にテンションがあがる人たちってどれくらいいるんでしょう...。

もし、TIDAL主催のストリーミングライブを会員だけ閲覧できるとか、それこそULTRA並みのコンサートに参加できるとか、そういううまみが無いと一定の売り上げを上げるのが難しい気もしますが、
きっと素晴らしいコンサルタントがついているでしょうから、引き続き見守っていきたいと思います。