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11月の連休に、また関西に行ってきたのですが、
今回は新神戸にある「竹中大具道具館」に行ってきました。
こちらは「
消えてゆく大工道具を民族遺産として収集・保存し、さらに研究・展示を通じて後世に伝えていくことを目的に、1984年、神戸市中山手に設立されたのが日本で唯一の大工道具の博物館「竹中大工道具館」です。(引用:竹中大工道具館HP)
ということで、大工道具の歴史に迫る・また建築に携わる人々のハブになる・ものづくりを応援するをこと目指した博物館です。
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館内は写真撮影OK。
そして多くの資料が手で触れることを許可しています。

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さすがに鋭利な刃物などはガラスケースに展示されていますが^^;

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江戸時代に使われていた宮大工の方の彫刻刀です。
木造建築や自社仏閣が好きな方ならかなりはまってしまうこと間違い無しな場所です。


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博物館の特色として、実際の資料約30000点をはじめ、映像資料の公開にも力を入れています。
この写真は凸版印刷が作成したCGによる当時の建築技術の分析のVTRですが、こうして分解してみると非常に高度な技術があることが分かります。
特に釘を用いない木造建築のレベルの高さは本当にすごいなと思います。

また、竹中大工道具館では、教育普及活動の一環として出張授業のプログラムを組んでいます。
薬師寺の再現に携わった愛媛の鍛冶・白鷹幸伯氏について書かれている小学校
5年生の国語科学習「千年の釘にいどむ」という教材をもとに、実際に白鷹氏がつくった釘と現代の釘とを比較し、和釘の製造工程の紹介を行っているそうです。
過去の記憶をたどっていくと、児童教育の国語科では文章理解や内容把握を求められますよね。
国語が苦手だと思っている人の中には、「回答するプロセスを導くこと」の部分で躓くこともあるのかなと思います。
文脈をつかむということは論点を整理する力や、文章内に隠されていることを理解する力が必要です。
恐らくそれは文字ではわかりにくいけれど、疑似体験をすることや、想起しやすいものに置き換えることで、少しずつパターン化できるのではないかなと思っています。
そういう意味で、釘や鉄の性質を、実際に触れて、違いを比較して、実感として理解することで、文章の中にこめられている本質を見出す作業の補助ができるのじゃないか。。。と思いました。

最近教育について考える機会が増えているのですが、特にアウトリーチや産学連携という堅い言葉ではなくても、
学習指導要領や地域の教育施設で使われているテキストを事前に把握し、自分たちの地域に住んでいる子供たちが何を学び、何を考えているのかを把握しておくことはとても重要なことのように感じます。
だって、それは10年後、20年後に必ず返ってくるから・・・

博物館側が副教材として利用できる体験学習を提供することで、地域社会に貢献する。
そういう動きが少しずつ生まれているということの紹介を僭越ながらさせていただきました。