2014-04-19-14-50-18

久しぶりに私のホームタウンにある埼玉県立近代美術館に行ってきました。
埼玉県立近代美術館(さいたまけんりつきんだいびじゅつかん)は、埼玉県さいたま市浦和区にある美術館である。北浦和公園の園内にあり、館舎は建築家黒川紀章の設計である。館内では数多くの名作椅子に座ることができ、椅子の美術館としても知られている。(Wikipedia

埼玉県民なら1度くらいは訪れたことがあるかもしれませんが他地域に住んでいる方はなかなか訪れる機会は無いかもしれません。
突然ですが都道府県や国が運営ししている博物館や美術館ってどれくらいあると思いますか?
実は日本には国が管理運営している博物館は1つもありません。
すべて独立行政法人などの外部管理団体が国に委託されて運営されています。
都道府県についても「指定者管理制度」により多くの施設が外注されています。
地方自治法の一部改正で2003年6月13日公布、同年9月2日に施行。
公務員の人員削減や民間主導による開かれた博物館運営を目指すなど、民間事業者のノウハウにより施設の利便性が高まることが期待されていました。現状としては、メリットがある一方で民間業者への評価基準が具体的でないこと、また評価手法が定まっていないこと、行政職員の効用問題が発生していること、リスクや責任の分担に対する明確化など課題もあるという話でした。
その中で、埼玉県立近代美術館については埼玉県が直接管理運営しています。
現在ある都道府県の博物館・美術館は約1243箇所、うち公立として都道府県が運営しているのは57館程度なのだそうです。
(実際HP上に明記されている施設もありますが記載されていない施設もあり、関係者じゃなければそんなことは気にしないですよね…)

埼玉県立近代美術館の特徴としては、主に印象派以降の近代・現代の美術作品を中心に構成された常設展示と、年に2~3回の企画展示を精力的に発表していることです。県立という事で埼玉県民以外の方が訪れる機会は少なそうなのですが、扱う題材がとてもユニークで密度の濃い内容の展示をされることが多く、学生のころから本当によく通っている自分にとって一番なじみの深い美術館です。
また、「椅子の美術館」という別名があるほど、有名デザイナーの椅子のコレクションが多いことも特徴の一つです。
ただ展示作品として飾っているだけでなく、実際に座ることで作品と触れ合うことができる展示については、子供のころは何も感じませんでしたが、他の美術館を巡るうちに、実はけっこう太っ腹な美術館だなぁと思うようになりました。

最近まで改装工事を行っており、先々週久しぶりに訪れました。
確かに東京から北浦和に行くのは少し遠い…。

今回は「ピカソの陶芸 地中海にはぐくまれて」という企画展示を見に行きました。
ちょうど、担当学芸員さんのギャラリートークを見ることができたので参加してきました。

ギャラリートーク参加者は35人程度でした。
企画展示のスペースは中規模だったので、かなりの密集度でした。 
人数の内訳は、大体ですが
小学生 3人
20代 7人
30代 10人
40代 10人
50代~ 5人
一番多い世代が30~40代の女性でしたが、男性も割といる印象でした。
また、途中からでも人が参加しやすい感じでした。

所要時間は30~40分程度でした。

話の内容については、1つ1つの作品についての具体的な解説よりは、作品を通してピカソという人物像を読み解く形で、全体的な内容を俯瞰できるようなサイドストーリーを織り交ぜて紹介されていました。
初心者でも非常にわかりやすい構成になっていました。
参加者は学芸員の話を聞きながら作品を見るのですが、小品の場合人だかりになってしまい手持ち無沙汰風になっている人もいましたた。また最後のあたりまで来ると疲れたのか椅子に座り込む人もいました。
この辺りはすごく難しいところで、参加者の年代を見て話をさくっと切り上げたりする方がいいのかなぁなどと思ったりしました。
一方で、終了後熱心に質問している参加者もいて、 その場に居合わせた人間すべてに対し満足させることを提供するのは難しいだろうなと思いました。
ちなみにこちらの美術館は携帯電話の利用は一切禁止という事でした。
(正直言うと、ここの部分に関しては随分前時代的だと思わざるを得ませんでした)
 
常設展示ですが、こちらは年に4回テーマをもって定期的に入れ替えているという事で、「常設展」という言い方ではなく、「MOMASコレクション」という紹介をしていました。
こちらは改装が終わったばかりで以前来た時よりかなり大胆な手法の展示内容になっていました。
今回行ったときは第1期として4つのテーマに沿った展示をしていました。 
「光と夢にまどろむ」
印象派以降の作品を中心とした「光」の色と美しい睡眠に注力した絵画作品が展示。
特に正面に飾られた漆黒のデルヴォーの作品を中心に沿えた5点の眠る女性の作品展示はかなりセンスが良かったです。
ここの展示手法はほんとにいちいちカッコよくて好きなのです。
「木との対話、新たに」
1979年に西武美術館で展示された中原祐輔の展覧会「art today '79 木との対話」のリメイク。
木材の作品を中心とした前衛的な展示。35年前にこんなアバンギャルドな展覧会を1デパートで行っていたという事に衝撃です。

「四季の彩り―日本画の名作を中心に」
横山大観など日本の四季を鮮やかに描いた日本画。こちらだけ照明をかなり落とした展示になっていました。

「幾何の叙情―泉 茂」 
今回新しく収蔵された泉茂の油絵を中心とする展示は小さい部屋の中に収められ、画廊の展示を思わせました。

今回久しぶりに埼玉県立近代美術館に行きましたがやはりとてもいい美術館だと思いました。
特に常設展示についてはかなり大胆に取捨選択をしていて、本当に見せたいものを効果的に見せる展示をしていました。
常設展はただ所蔵作品を見せる展示が多い中、このような取り組みはかなり実験的だし個人的には支持したいです。

お近くに寄った際はぜひ。