11月になった。
今年もあと2ヶ月。残り営業日約40日。
年内に何ができるか?
走り続けるしかないな!
走り続けるためには適宜水分補給をしなければならない。
私にとっての水分補給は良い音楽を聞くことだ。
10月は日比谷野外音楽堂にて、大好きな指揮者、井上道義氏×新日本フィルの野外コンサートを見にいった。
元々彼が気になるようになったきっかけは、ショスタコーヴィチの作品をよく振っていたから。
そして、2007年に日比谷公会堂でショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏会を見に行ってからすっかりファンになった。
彼の五番は素晴らしかったー。もう一度聞きたい。
今回は野外ということで、正座して残響込みで聞くというよりはライブ感覚で楽しむがただしいかなと思い、最前列で見てきた。
曲目は
J. シュトラウス
常動曲
久石譲
あの夏へ(千と千尋の神隠しより)、魔女の宅急便、となりのトトロ
マーラー
交響曲第7番5楽章
チャイコフスキー
くるみ割り人形より「あし笛の踊り」
アンコール
ムソルグスキー
展覧会の絵
オケのメンバーはTシャツというラフな出で立ちで。マエストロは背中にヴァイオリンの派手なベストで。
子供も楽しめるコンサートに、ということでMCも陽気に。
ジブリメドレーは美し過ぎて身悶えした。
弾き振りも、いいですね。
そして続くマーラー。いま思い出しても、やはり、凄かった…。
初秋の風の香りに、沈みゆく夕景に、ざわめく木々に、鳴り響く鐘の音というシチュエーションも堪らなく美しかった。
壮大な音の洪水に意識を持っていかれそうになりながら、コンサートホールではない野外ならではの、演奏家の息遣いを楽しむ。
この曲は確かに、ライブ向き。
できればラストだけでなく、全編通して聴きたかった。まあ、7番は70分越えの大作なのでこのプログラムでは無理だけど。
MCで井上さんはこんなことを語っていた。
今は何でも手に入る世界になって、でもそのせいで、いっぱい悩まなくちゃいけない。スーパーにいけば、ジャムだけで何十個も種類があって、そこから選ばなきゃならない。
そんなことを、ずっと昔にいきてたマーラーは、予測していたのかなぁ。
笛の踊りはPA無しで音の振動そのものを楽しんで欲しいという演出をしていた。
予定ではここまでで、最後はアンコール。
(アンコールしてくれるとは思わなかったので、テンションがあがる。w)
展覧会の絵のラスト、Great Gate of Kiev。
この曲は昔から大好きで、とても思い入れがあるので、正直とても嬉しかった。
優美なコラールから鐘が鳴り響くコーダへ。そして主題が壮大なラストに帰結する。ぶるぶる震えた。表現がおかしいが、五感がやられる感じ…
気づけば日はすっかり暮れていて、楽しい音楽の時間はすぐにすぎてしまったのだけど、今回も、沢山の元気をもらえた。
井上さんの指揮は、見ている人を元気にする。
それはきっと、作曲家や演奏家に敬意があって、その上で御自身がどう表現したいかの信念があって、それが素直に伝わってくるからかなあと思ったりする。
好きだから、そういう感じ方になるのかもしれないけれど。
もし機会があれば、ぜひまたショスタコチクルスをしていただきたい!といううっすら期待をしつつ…。
コンサートホールで畏まって聞くというスタイルではなくて、敢えて野外で気楽に聞いてよ、というスタンスもとても素敵な試みだと思った。
野外クラシックフェスみたいな感じで、在京オケの対バンでプログラム組んだら凄い面白いから、ぜひフォルジュルネあたりで企画していただきたいな。